オーディオ/ハンズフリー用ステアリングリモコンステアリングリモコンケーブル接続図

1 ケーブル接続と学習設定
 ナビにステアリングリモコンケーブルをつなぐと、ステアリングのスイッチでオーディオなどの操作ができるようになる。ナビ前面の押しボタンスイッチや画面のタッチパネルを使わなくてもいい。MDV-M907HDLではMZ200より押しボタンスイッチはかなり大きくなったが、手探りでは操作は難しいので、運転中には重宝する。50プリウスでは、ステアリング左側の円形スイッチの各部でソースメディア切替、音量の上げ下げ、トラック送り(前の曲、次の曲)を、下の3つのスイッチで音声認識と電話のON/OFFフックを行うことが想定されている。

 内部の実装基板では、左の回路図のように押す位置によってケーブル端子間の抵抗値が変わるようになっており、スイッチの位置と抵抗値の関係は実際は車体のメーカーごとに異なるので、ナビのステアリングリモコン設定画面ではメーカー名を選ぶことになるが、さらに、M907では、学習設定ができるので、とりあえず下表のように設定した。


ステアリングリモコン学習設定


設 定
トヨタ純正音量+音量-前の曲次の曲ソース切替ONフックOFFフック音声認識
私の設定音量+音量-MAP/AV次の曲ソース切替広域詳細音声認識

 それぞれの動作をここでまとめておく。

MAP/AV地図/AV画面の切り換え。iPhoneが接続されていれば、長押しで SIRI の呼び出しができる。
ソース切替AVソースの切り換え。押すごとにソースが以下の順で切り替わる。
  iPhone→USB→SD→内蔵メモリ→マルチAVブラウザ→
  DISC→地デジ→FM→AV→(AV IN)→
  BLuetooth Audio→HDMI→SMART USEN→交通情報→(iPhoneへ戻る)
音声認識スマホのアプリ VOIPUT が起動してれば、目的地検索や再生音楽のリクエストができる。
詳細地図を1段、詳細画面に切り換える。
広域地図を1段、広域画面に切り換える。

 ちなみに、AV-INはサイドカメラを接続している場合は再生メディアの切り換え候補からはずれるが、それでも多くの音楽・映像ソースがあり、聞きたいソースを選ぶためにかなり[MODE]ボタンを押すことになる。やはり順送りでなく、かって使っていたトヨタ機のように音声で直接ソース選択できるとありがたい。

2 ステリモ拡張の試み

 MDV-M907HDLは学習機能によってステアリングリモコンスイッチの再配置ができるが、やはりオーディオおよび電話のハンズフリー用ボタンだけでは数が少ない。あと少しリモコン用ボタンが欲しいと感じ、とりあえず、下図のようにクルコンレバーの抵抗回路を本来の制御回路から切り離し、ハンズフリー抵抗回路に抵抗1つを中継してつないでみた。
 ステアリングリモコンでは接続端子間の抵抗の値でステアリング上のどのボタンが押されているか判定している。クルコンレバー側の抵抗とハンズフリー側の抵抗とがかぶらないようにするには直列につながる中継抵抗の値をいくらにしたらいいか、試行錯誤し、結果、中継抵抗の値を100Ωとした。以下が、ハンズフリー用ボタン群とクルコンレバーの抵抗値および、中継抵抗を100Ωとしたときの合成抵抗の一覧である。

ハンズフリー
スイッチ名抵抗値
MODE
ON HOOK330Ω
OFF HOOK1000Ω
VOICE3300Ω
クルコンレバー
スイッチ名抵抗値+100Ω
MAIN100Ω
+RES240Ω340Ω
-SET630Ω730Ω
CANCEL1540Ω1640Ω

 「ON HOOK」と「+RES」とは近似値なので動作はかぶるが、これで3つのスイッチが追加できそうだと考え、さっそく実機で実験、動作OKだった。この状態で、役割再配置を行い、下図のようにステアリングリモコンをまとめることができた(ただし、クルコンは完全に使えない状態であり、あくまで暫定措置である)。

 その後、クルコンレバーの抵抗回路の接続をはずした。現在ではクルコンレバーは赤外線のアダプタを使用し追加ナビNR-MZ200のリモコンスイッチとして利用している。また、ステアリングリモコンの学習設定は以下のように変更した。

設 定
私の設定音量+音量-前の曲次の曲ソース切替音消しHOMEMAP/AV