もっと大きな画面で音楽や交通に関する情報を見たい。HDMIを通して映し出されるSpotifyからの文字が小さくて読めない。これが1年半利用した三菱電機のNR-MZ200からKenwood MDV-M907HDLへの交換を決意した大きな理由である。MDV-M907HDLは画面が9インチ、地図やオーディオ再生画面のデザインがとても凝っていて(逆に言えばそれまでのナビは画面設計がシンプル過ぎた)、ショップでデモ機を見て惚れ込んでしまった。実はKenwoodの前の9インチモデルから気にはなっていたのだが、HDMI入力がないことで見送ってきており、今年5月の新製品登場でそれが解消され、購入を決め込んだ。もうひとつ購入の決め手になったのは自動車メーカー純正ではあたりまえだが、社外品では珍しくドライブレコーダーと連携ができること、逆にドライブレコーダ導入をこれまで見送っていたのはナビと連携できるものが欲しかったからで、今回のナビ交換と合わせこれが実現した。
主な特徴
Kenwood NDV-M907HDL Kenwoodサイトより引用 |
・デュアルコアCPU搭載(CPU不明)
・スマホライクな操作性
・AM、ワイドFM、地上ディジタルTVの放送受信
・CD、DVD、SD、USB、内蔵メモリ、iPhone内の音楽、動画再生
・HDMI入力映像表示
・リア、フロント(サイド)カメラ接続可
・音楽再生画面デザイン秀逸(スペアナ表示可)
・ドライブレコーダ連携
・ETC2ユニット接続可
・Bluetooth通信機能有り(Wi-Fi接続不可)
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以下はナビ購入に合わせ、取付のために調達したパーツ一式ある。
画像 | 名称 | メーカ | 型番 | 価格(円) | 備考 |
| 前後ドライブレコーダー | KENWOOD | DRV-MN940 | 40,200 | 200万画素記録 |
| AVプリアウト拡張ケーブル | KENWOOD | KNA-17AV | 1,951 | ドライブカメラ サイドカメラ 接続用 |
| 汎用RCA変換リアカメラ 接続ケーブル | KENWOOD | CA-C100 | 1,600 | |
| 入力用HDMIケーブル | KENWOOD | KNA-20HC | 3,630 | MDV-M907専用 標準-マイクロHDMI |
| HDMI中継アダプタ (メス-メス 2個セット) | VCE | | 779 | Chromecast 接続用 |
| トヨタ車用ワイヤリングキット | KENWOOD | KNA-200WT | 2,391 | |
注:ステアリングリモコン接続ケーブルはドライブレコーダ付属のKNA-300EX相当を流用
さっそく取り付けである。以下が各ケーブルの接続図で、本機の地デジアンテナのコネクタはトヨタカーナビと同じVR1規格なので、前回のナビNR-MZ200で使用した変換ケーブルは不要となり、元々のトヨタ純正アンテナケーブルを直接本体に接続できた。また。GPSアンテナはMZ200とコネクタが同じだったので、これも前回の配線を流用した。
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プリウス50の大型オーディオパネルを外し、9インチナビ、MDV-M907HDLを取り付けたところ。下に伸びているケーブルはオーディオパネルについているエアコンのコントローラとハザードスイッチにつながるもの。
液晶が大きくなっても車体への取付金具をつける筐体は2DINサイズなので、7インチワイドの隙間埋め枠をはずせば無加工ですっぽり収まる。
また、プリウスのオーディオパネル裏には小物をいろいろ収めるには頃合いの空間があり、今回もChromecastや赤外線アダプタなどは継続して接続していく。
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下図が起動直後のHOME画面である。三菱機同様スタート画面の設定はない(トヨタ機はスタート画面がデザインできたので、自車と好きなアーティストを配した画像を作成しCDに書き込んでナビに投入したものだ)。
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左上がINFO画面、左下がAV、右が地図でVICSやスマートループによる渋滞情報が道路脇のちかちかと点滅する線で表現されている。赤が渋滞、青はスカスカである。道路上の●の連なりは走行履歴を示す。INFOとAVのエリアは多少サイズが変えられるが、消してしまうことはできない。
INFO画面にはクルマの速度や方角、速度制限、渋滞状況に加え、Bluetoothでスマホを通して得た3時間後の天気予報などが図柄を使ってわかりやすく表示される。
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上のHOME画面の天気予報エリアをタッチすると、下図の天気予報詳細とカレンダーが表示される。また、3D地図では、特徴ある大きな建造物などはCGで表現される。
天気予報(詳細) |
3Dで表示した地元の立体物 |
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AVソースの選択画面である。これほど多彩なメニュー一覧を持つナビは珍しい。三菱機はラジオメニューの下にAM/FMの切り替えがあるなど階層化されていたが、こちらは全て一元管理され、もちろん、USBメモリがささっていない時は飛ばされるが、ボタンで順送りした場合一巡するまでかなりかかる。
ちなみに、「STANDBY」は全てのソースをオフにする。個人的には「SMART USEN」や「交通情報」は不要で、いらないものを無効にできるとありがたいのだが。
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「マルチAVブラウザ」はUSB、SD、内蔵メモリの音楽やビデオをカテゴリーごとにメニュー化したもので、そのカテゴリーデータベースに登録するすることで、音声リクエストの対象になる。
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フルHD動画再生(alan 阿蘭 ཨ་ལན་ཟླ་བ་སྒྲོལ་མ། - 無相 MV より) |
さて、上図が動画再生画面である。ナビ交換の結果、動画の美しさ、迫力が増し、音質もいい。K2テクノロジーと呼ばれるKENWOOD独自の技術が音質向上に寄与しているようだ。また、動画の解像度の制約がゆるくなったのも嬉しい。フルHD(1920×1080)の動画を無変換で再生できる。三菱機では解像度1280×720以下に抑えなければならず、動画変換が必須だった。また、音楽再生でも嬉しい発見が・・・。
スペアナ表示 |
アナログVUメータ |
ディジタルVUメータ |
美しい画面である。昔はカーオーディオではどこでも見られたスペアナ(スペクトラムアナライザ)が表示できる。右上の「切替」のタッチでVUメータも出る。特にアナログVUメータは秀逸である。また、それらに歌手の画像などカバーアートが併せて表示され、下部の色がゆっくり変化するスイッチイルミネーションと相まってとても魅力ある音楽再生環境となっている(ちなみに、カバーアート画像は右図のように動画から切り出して500×500ピクセルの素材とし、USBメモリを通してナビに投入、収録したCD音楽に関連づけた)。さらに、カタログや仕様表にもないことで感激したのが国際文字表記UNICODEへの対応である。上図にあるように中国人歌手の「阿兰」の名前や歌のタイトルが文字欠けや文字化けしないで表示されている。これまで50プリウスで使ってきた2機種はどれもJIS漢字のみ表示可能で中国特有の漢字は文字欠けして悲惨だった。ちなみに先の動画のタイトル中のチベット文字「ཨ་ལན་ཟླ་བ་སྒྲོལ་མ།」の部分は残念ながら「□□□□□□□」に化けていた。
また、外部接続の機能としてもすぐれた面がある。まずはUSB端子が2つあってUSBメモリとiPhoneが同時に接続できるようになった。さらに、ハンズフリー電話が2つまで同時に待ち受け可能となり、ガラケーの通話やiPhoneのSIRIとの会話の度にBluetooth接続を切り替える必要もなくなった。さらに、ナビ自身で直接SIRIを呼び出すことができるようにもなった。
しかし、ICT無線通信媒体の内、Wi-Fiと赤外線の接続ができなくなった。Wi-Fiがなくなることでインターネットのサイト接続はBluetoothのテザリングに頼ることになるが、その使い勝手については、他のページで紹介する。以下にこれまで使ってきたナビとの機能比較を記す。
型 番 | NHZA-W60G | NR-MZ200 | MDV-M907HDL |
メーカー | Toyota | 三菱電機 | Kenwood |
画面サイズ | 7インチワイド | 7インチ | 9インチ |
放送受信 | AM/FM/地デジTV | AM/ワイドFM/地デジTV | AM/ワイドFM/地デジTV |
音楽用メディア | CD/HDD/SD/USB/iPhone | CD/SD/USB/iPhone | CD/メモリ/SD/USB/iPhone |
動画用メディア | DVD/iPhone4S | DVD/SD/USB | DVD/SD/USB |
HDMI入力 | × | ○ | ○ |
Wi-Fi接続 | × | ○ | × |
Bluetooth接続 | ○ | ○ | ○ |
赤外線制御 | × | ○ | × |
USB機器接続数 | 1台 | 1台 | 2台(ハブ利用で最大4台) |
ハンズフリー電話 同時待受数 | 1台 | 1台 | 2台 |
音声認識 | 単独で可能 | 単独で可能 | スマホアプリ併用 |
スタート画面の変更 | ○ | × | × |
地図上の自車マーク変更 | 5種類から選択 | × | 3種類から選択 |
ステアリングリモコン 学習機能 | × | × | ○ |
使用期間 | 2016/5~ (2年半) | 2019/1~ (1年半) | 2020/7~ |
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