車内Wi-Fiネットワーク


 Wi-FiはIEEE 802.11規格準拠の無線LANである。車内(屋外)で使える2.4GHz帯の通信チャンネルはIEEE802.11bの場合、22MHzの幅で14個あるが、下図のように隣接チャンネルの間でかなり重なっているので、実質同時に使えるのは最大4つである。これのネットワークにルータを含め6個の機器を接続、連携動作する環境を構築した。


2.4GHz Wi-Fiのチャンネル

1 Wi-Fiモバイルルータ

 Wi-Fiルータには、NETGEARのAirCard785を用いた。電池を抜き、アクセサリソケット型USB充電器で電源を供給し、車体の電源ONで起動するようにし、AEONモバイルの格安SIMを用いて、LTE/3G接続で月1GB容量のインターネット利用環境を作った。以下はその外観と諸元である。走行中、Wi-Fi自身やインターネットへの外部接続が時々途切れる(しばらくすると復旧する)ことがあるが、なんとか使えている。安定性のある5GHz帯は残念ながら家庭での使用に限定されている。

2 カーナビ NR-MZ200
 カーナビNR-MZ200のWi-Fi接続機能をオンにすることで、三菱電機が運営するサイトOpenInfoとの間で以下の情報をやりとりするようになる。
   ・ぐるめ情報の検索
   ・PCやスマホでの地点登録情報の取得
   ・新規開通道路情報
   ・Gracenote音楽データベース情報
   ・スマートループ

 スマートループでは、左図のように、OpenInfoがPioneer社が管理するスマートループサイトと連携し、自車の走行履歴データをアップする代わりに他車の走行情報を参考にした渋滞情報を得て、一度決めたルートを走行中でもリアルタイムに渋滞を回避したルートをナビゲーションするようになる。


3 スマートスピーカ GoogleHome Mini
 Wi-Fiと繋がることで、インターネット上のGoogleアシスタントと会話ができる。「ねえ、ぐーぐー  おはよう」と話すことで、「おはようございます。○○さん」から始まり、今日の天気や最新のニュース(JWaveヘッドライン、ITビジネス、NHK・・・)を次々と流してくれる。なぞなぞや計算、○○市の人口、「○○会社の社長は誰?」「空はなぜ青いの?」など、いろいろと運転中の話し相手となってくれている。ウェイクキーワードは本当は「ねえ、Google」または、「OK、Google」だが、「ねえ、ぐーぐー」でもちゃんと反応してくれるので、私は言い易いこれで通している。

 クルマは走行中は結構ロードノイズを出しているが、コンソールの奥に置いて運用し、ほとんどの言葉を正しく認識してくれている。GPSを持たないので、天気や周辺の店検索は常に自宅基準となるのが残念である。また、サイト側の不具合で、これまで天気の回答や周辺デバイス制御で動作が怠慢なことがあった。
 なお、バージョンアップにより、音楽再生の際にBluetoothを使ってカーナビから音を出す機能も追加された。


4 メディアストリーミングデバイス Chromecast

Chromecast


「My Heart Will Go On」再生画面


Google Photo上の写真表示画面
 ChromecastのケーブルをカーナビのHDMI入力に接続し、USB電源もカーナビから分岐して配線した。GoogleHomeと連携し、たとえば、「ねえ、ぐーぐー。猫の動画かけて」と話すだけで、Youtubeからストリーミングし、カーナビで再生してくれる。音楽の場合も、「ねえ、ぐーぐー、カーナビでMy Heart Will Go Onの曲かけて」と言うと、あらかじめ音楽配信サービスとして登録しておいたSpotifyに接続し、カバーアートを画面に表示して曲を流してくれる(この場合の「カーナビ」はChromecastにつけたデバイス名で、これをつけないとGoogleHomeMini本体から流れる)。

 Spotifyはスウェーデンの企業によって運営されている音楽ストリーミングサービスで、本来は曲名やアーティスト名でリクエストできるのは、プレミアム会員(月額980円)だけだが、Chromecast接続で利用するとフリー会員でもリクエストできる。ただ、曲名リクエストすると本来の歌手でなく他の歌手のカバーとして再生されることが多く、また、中島みゆきなど有名な歌手のリクエストはこれから再生するといいながら何もしないことが多いので今イチ(有料会員になると通信レートが128kbpsから256kbpsと高音質になるのだがやめた)。なお、カバーアート表示は1080iで送出されるので、7インチ画面では文字が小さくてタイトルやアーティスト名が読みにくく、大きな画面が欲しくなる。

2020/5 補足
 最初に記事を書いた2020年3月まではChromecast特権だったフリープランでの曲のリクエストが現在はほとんどNGになってしまった。上記の「My Heart Will Go Onの曲かけて」もリクエストは受け付けるのだが、実際に再生する曲は全然違う曲(一応洋楽)となる。ちなみに、PCからのリクエストではOKだった。アーティスト指定の再生は存続しているが、Spotifyの魅力が1つ減ってしまった。


2020/6/9 補足
 曲名によるオンデマンドの機能、本日復活した。朝はだめだったが、夕刻には「My Heart Will Go Onの曲かけて」のリクエストでちゃんとそれが絵付きで再生された。SpotifyかGoogle、どちらの不具合だったのだろうか。


 あと、「ねえ、ぐーぐー。○○の写真を見せて」でGooglePhotoにあらかじめアップした写真を表示してくれるが、写真のジャンル選別がAIで行われる都合上、アップから分類完了まで2~3日かかり、こちらの思い通りに分類されていないこともしばしばあった。

ChromecastによるSpotify音楽サービス利用の系統図



GoogleHome Miniの設置

Chromecastの設置


5 その他
 このほか、車内LANには、iPhone等のスマホや赤外線リモコンsREMO-Rを接続している。前者については、「Bluetooth」ページ、後者については、「赤外線」ページを参照。