三菱電機 NR-MZ200へ交換(左脇にAUX&USB端子設置)



KICKER CSS674
 もっといい音で聞きたい。その思いを実らせるため最初に行ったのはスピーカ交換である。実は50プリウスでは、ドアに内蔵されているエアバッグのセンサーの誤動作を避けるためスピーカ交換不可となっているが、ノウハウのある業者に依頼して、フロントのスピーカーをKICKER CSS674に交換にしていただいた。

こちらも参考記事
https://www.b-pacs.com/blog/2018/10-29_003018.html


 そして、2番目に行ったのがDIYによるナビ交換である。「サウンドナビ」と呼ばれ、音の良さで定評がある三菱電機 NR-MZ200 を入手した(税別100k円)。「PREMI」の言葉がつくともっと音が良くなるそうだが、費用対効果を考え、スタンダードモデルにした。

三菱電機 NR-MZ200
主な特徴は次のとおりである。
 ・クアッドコアCPU搭載SoC ルネサス「R-Car H1」を採用
 ・高音質、高画質
 ・スマホライクな操作性
 ・自律型音声認識機能(スマホ不要)
 ・AM、FM、地デジTV放送受信
 ・CD、DVD、SDメモリ、USBメモリ、IPod内の音楽・動画再生
 ・動画のアナログ入力、HDMI入力可
 ・リア、フロント、サイドカメラ接続可
 ・HUD、ETC2ユニット接続可
 ・Wi-Fi、Bluetooth通信機能有り、赤外線リモコン使用可


 ナビを購入した自動車用品店で取り付けの要領を教えてもらい、必要なケーブルをネットで取り寄せた。以下は購入したケーブル等のパーツ一式である。最後のサイドパネルはトヨタ車などワイド2DIN枠に通常の2DINオーディオを付けるとできる左右のすきまを利用してUSB端子とAV入力用35mmジャックを設置するものである。

名称メーカ型番価格(円)備考
トヨタ車用配線コードキット(10P・6P)錦織NBC-505T2,500
トヨタ車用車速センサーコネクタ(5P)錦織NBC-507T800
汎用カメラ接続ケーブル三菱KIT-50BC4,309リアとサイドのカメラ接続
外部入出力ケーブル三菱LE-1610AV-FF1,243
HDMI変換ケーブル Eコネクタ<->HDMIメスイクリプスHDMI1142,400三菱製は7,900円と高すぎ!
ハンズフリー用マイク三菱LE-50MIC1,620(結局使わず)
フィルムアンテナ変換ケーブル VR1<->HF201S4,800トヨタ<->カロッツェリア
ステアリングリモコン接続ハーネスストリートAH-161,680トヨタ車28pin用
AUX+USBポート装備2DINサイドパネルDKMUS1,499


 ナビ交換作業、まずは、それまでついていたナビ トヨタ NHZA-W60Gの取り外しである。プリウス特有の大きなオーディオパネルをはずし、ナビを固定している金具のねじをゆるめた。ナビの背面には多くのケーブルが繋がっているが、配線図を参照し1本ずつ確認してはずしていった。

オーディオパネルはずしナビはずし


 そして、NHZA-W60GにつけてあったL字取り付け金具と左右のすきま埋めのブラケットをNR-MZ200にねじで固定した。さあ、いよいよ配線である。購入したケーブルを中継にしながら車体から伸びる各ケーブルをナビ背面コネクタに接続していった。地デジのフィルムアンテナはすでにフロントガラスに貼り付けられているものを流用することにし、メルカリから調達したコネクタ変換ケーブル(メーカー不明)を中継にして接続した。ハンズフリーマイクは当初は必要と思い調達したが、本体のマイクで十分機能したので接続しなかった。以下は各ケーブルの接続図である(HUDについては後述)。



 ナビ交換の結果、音域が広がり、動画画質がとても向上した。また、SDカードやUSBメモリで動画再生ができるようになり、事前に変換作業が必要ではあるもののDVDに焼くより動画持ち込みが大変楽になった。カーナビ動作では目的地方向線が描画されるようになり便利になった。一方、残念ながら利用できなくなったものも少なくはない。以下は、ナビ交換によって得たもの、失ったものの一覧である。

新たに得たもの失ったもの
・SDカードによる動画再生
・USBメモリによる動画再生
・ルート走行時での目的地方向線描画
・スマホライクな操作性
・Wi-Fiによる渋滞情報取得
・Wi-Fiによるぐるめ検索
・スマホアプリ「ナビコン」対応
・HUDへのナビ情報表示
・赤外線による制御
・iPhone4Sのナビ操作での動画再生(アナログ入力)
・音声認識によるオーディオ制御(音量の上げ下げ、ソース選択、放送局選択)
・音声認識による音楽検索
・毎朝の挨拶と「今日は何の日」
・G-BOOKヘルプ機能(携帯電話のDUN接続経由)
・スタートアップ画面の変更機能
・地図上の自車マーク変更機能

 可能であれば、NSZA-W60Gと機能の棲み分けを行い、2台体制(ダブルカーナビ)としたいものである。問題はNSZA-W60Gの設置場所である。やはり運転席から見やすい場所にあって設置可能なところがあれば検討したいところである。いっそ、トヨタカーナビの最新モデルNSZT-Y68Tに再交換するのも手である。9インチHD大画面で、Wi-Fi接続で天気予報も拾う、スマホアプリで車両の管理ができ、本来のHUD連動と連動もするが、音声認識は今イチらしいし、画面デザインが地味過ぎ、赤外線リモコン制御なし等で物足りないし、今さら感がある。


ステアリングリモコン

オーディオ用ステアリングリモコンステリモ回路図ナビのステアリングリモコン設定画面


 ナビに別途購入したステアリングリモコンケーブルをつなぐと、ステアリングのスイッチでオーディオなどの操作ができる。ナビ前面の小さな押しボタンスイッチや画面のタッチパネルを使わなくてもいい。50プリウスでは、ステアリング左側の円形スイッチの各部でソースメディア切替、音量の上げ下げ、トラック送り(前の曲、次の曲)を、下の3つのスイッチで音声認識と電話のON/OFFフックを行うことが想定されている。内部の実装基板では、回路図のように押す位置によってケーブル端子間の抵抗値が変わるようになっており、スイッチの位置と抵抗値の関係は実際は車体のメーカーごとに異なるので、ナビのステアリングリモコン設定画面ではそれを選ぶことになる。プリウスの場合は当然「トヨタ」を選ぶことになるが、あえて他のメーカーを選ぶとどうなるかも試してみた。下表はその結果である。

設 定
トヨタ音量+音量-前の曲次の曲メディア切替OFFフック
スズキ前の曲メディア切替Mute
スバル(6Key)前の曲メディア切替Mute
スバル(8Key)音量+音量-前の曲次の曲メディア切替OFFフックMute
スバル(11Key)音量+メディア切替
ダイハツ音量+音量-前の曲次の曲メディア切替OFFフック
日産(8Key)音量-メディア切替前の曲
日産(9Key)音量-メディア切替前の曲
ホンダ前の曲メディア切替音量+
マツダメディア切替次の曲音量-MENU
マツダ(軽)前の曲メディア切替Mute
三菱メディア切替前の曲メディア切替音量-

Mute動作
 ここでおもしろいことに気がついた。サウンドナビにはAVのオンオフはあるが音だけ消すMute機能はないと言われ、実際専用赤外線リモコン「ドラコン3」にもボタンがないが、スピーカ記号に赤の斜線が入ったマークが画面に出て音が消える動作が、スズキやスバル、マツダの設定の際に現れていたのだ。そして、「スバル(8key type)」設定時には各スイッチが「トヨタ」を選択した時と同じように反応してくれながら、「トヨタ」選択では全く反応しない「音声認識」ボタンがMute(音消し)ボタンとして機能しているのを発見した。Mute機能はとても便利なので、私は「スバル8keytype」を常時選択にすることにした。ちなみに「音声認識」をステアリングリモコンで指示したいときは「MODE」ボタンを長押しする。あと、「マツダ」設定のOFFフック押しでは、これもドラコン3にない「MENU」表示(本体スイッチのMENUと同じ動作)として機能していた。
 ところで、携帯電話のONフックがステリモから反応していない。このスイッチ、接触不良かなと思ったが、唯一「三菱」の設定で、「前の曲」送りとして機能したので、スイッチ不良ではないようだ。もし、NR-MZ200にステリモボタンの動作再割当機能があれば、ON/OFFフックをドラコン3にはある楽曲フォルダの移動に割り当てし直したいものだ。



ダイハツ NMZM-W69D
 さて、三菱電機DIATONEのカーナビは音の良さが評価され、ホンダ、スバル、ダイハツなどのクルマのDOP(ディーラーオプション)に採用され、NR-MZ200には多くの仲間がいる。左の写真のダイハツ NMZM-W69D もその一つでオリジナル機に対しいくつかの改良が加えられ、たとえば、ワイドDIN枠に合わせて筐体の幅を広げ、オリジナル機にはないボリュームつまみがある。専用のドライブレコーダとも連携するなどとても便利そうで、ダイハツならコネクタもトヨタと同一だしこちらを選ぶ選択肢もあった。

 しかし、これの取扱説明書をよく読むと、オプションのHUD接続がない、カメラがリアの1本分しか接続できない、赤外線制御がない、外部入力(AUX)が音声のみ、外部出力が映像のみで音声がないことなどに気がつく。実際、HUDやサイドカメラを接続をしようとしていたので、こちらを選んでいたら困っていただろう。ちなみに、ステアリングリモコンの「MODE」長押しで音声認識を開始できるというのはこれの取扱説明書で知った。

 参考までに、下記リンク先に NR-MZ200 サウンドナビの仲間達の主な一覧表を記す。

資料 サウンドナビの仲間達

 DOP機はどれもドライブレコーダとの連携が図られ、また、ホンダやスバルのDOPには、iPhoneのアプリと連携するApple CarPlay の対応が追加されているのもある。また、ホンダ機は画面が9インチHD(大型、高解像度)で、HDMI入力対応と大変魅力的な仕様となっている。一時、これらDOP機への交換も検討してみたが、たとえば、ホンダ機は筐体が全体に大きくプリウスのオーディオパネルに入れるにはかなりの加工が必要なこと、入手が困難、接続にはホンダ逆ハーネスの取り寄せが必要なこと、そして、ここまではなんとかならないこともないが、ネット上の接続サーバはホンダ車限定、ステアリングリモコンはトヨタ車とは合わない(例の設定をホンダにするとボタンを押してもほとんど反応しない)、赤外線リモコン対応がないなど深刻な相性不具合があり見送らざるを得なかった。

 ちなみに、値段が倍以上する NR-MZ200 の上位機種 NR-MZ300PREMI は音質がさらに格段によくなるほか、8インチ画面、サーバ音声認識、ニュースリーダ機能追加と充分魅力的で中古でもいいからとさらなる交換を検討しているが、8インチという中途半端なサイズの決して安くない対応パネルが必要なこと、HDMI入力がなくChromecastの出力をそのままでは繋げられないこと、カメラ入力系統が1本しかなく追加しているサイドカメラを継続して使うには新たに対応アダプタを購入しなければならないことなどがあって、二の足を踏んでいる。