BluetoothはIEEE 802.15.1規格準拠の近距離無線通信である。2.4GHz帯の電波を利用し、10m程度の範囲にある機器を相互に結び(ペアリング)、デジタル通信を行う。Wi-Fiに比べ消費電力が少なく、小さな電子機器にも容易に実装できる。帯域幅1MHzのチャンネルが79あり、混信が生じても空いているチャンネルに自動的に周波数ホッピングし、通信を継続する。


GFSK(ガウス型周波数偏移)変調方式 周波数ホッピング 79ch

1 カーナビとのペアリング状況
 現在、携帯電話(ガラケー)、Androidスマホ、GoogleHomeMini、iPhone2機種を登録している。接続の設定はハンズフリー通話、音楽再生、データ通信とプロトコルごとにデバイスを選択できるので、電話はガラケーで、音楽はiPhoneでと設定できる。

2 ハンズフリー通話

 私は携帯電話は未だガラケーを愛用し、車内ではBluetoothを利用してハンズフリー通話を実現している。ステアリングのリモコンでOnFook/OffFookが指示でき、HUDには通話相手の名前または電話番号が表示される。

3 Bluetooth Audio

 スマホやGoogleHomeの外部スピーカとしてとして利用できる。iPhoneのBluetooth接続はUSB接続に比べ音量がかなり小さくあまり利用していない。
 GoogleHomeでは設定を有効にすると通常の会話は本体から、ニュースやSpotifyの音楽再生はカーナビを通してクルマのスピーカから音声が出る。ちなみに、GoogleHomeがバージョンアップしてBluetoothによる外部出力が可能になった時点ではまだトヨタのカーナビを使っていて、この時は何度設定を試みてもうまく繋がらなかったが、三菱カーナビに替えたらすんなりと繋がってくれた。


4 Siriリモコン
 Siriリモコン PIP-SRC はBluetoothを通してiPhoneのSiriを呼び出すボタンで、ステアリングに取り付けられるようベルトがついている。私はこれを入手し、ボタン部分のみをステアリングの下の白パネルにマジックテープを利用して貼り付けた。このボタンを押すことでペアリングしてあるiPhoneのSiriが起動し、そのiPhoneがカーナビのハンズフリー通信の相手として設定されていれば、カーナビのマイクとクルマのスピーカを使ってSiriと会話ができる。

 AIとの会話はGoogleHomeとでもでき、あちらの方が賢く便利なのだが、いかんせんGPSがないためできなかった現在地を尋ねることがこちらではできる。このほか、いろいろと質問でき、GoogleHomeとは違った赴きで会話が楽しめるが、回答が運転中には見られないiPhoneの画面に振られることが多いのが残念である。



 そして、このカーナビに交換することで失った音声による音楽検索を、iPhone内コンテンツ限定だが実現できる。以下はその系統図である。


 なお、使い始めのボタン押し1回目はSiriリモコンの電源ONで、それ以降のボタン押しでSiriが起動し、音楽や動画再生中でも中断しハンズフリー着信画面となる。実際の動作については、世代の異なる2つのiPhoneで試したが、IOS12を入れたiPhone6ではボタンを押しても反応してくれないことが多く使い物にならなかったが、IOS9のiPhone4Sではほとんど問題なく反応してSiriを呼び出してくれた。ただ、ハンズフリー着信画面にはならないが、Siriは開始しているというのが時々ある。どうも新しいiPhoneより古いものの方がよいようで、AppleのCarPlayでも新しいOSになるほどSiri呼び出しの反応が緩慢になることがあるそうだ。結局、私はiPhone4S(Siriが搭載された最も古いiPhone)をSIM契約なしWi-Fi接続で車載する、すなわちクルマ専用としてコンソールボックスに収め、カーナビとUSB接続したままにすることにした。

 そのほか、課題としては、カーナビのBluetoothハンズフリー接続が1回線しかなく、通常使用するガラケーとこのiPhoneとで同時使用できない。そのため、通常はガラケー側を有効にし、Siriを使うときだけBluetooth設定画面でiPhone側に切り替えるようにしている。