番外編3 MO活用

 MO、光磁気ディスク(ひかりじきディスク、Magneto-Optical disk (disc))とは赤色レーザー光と磁場を用いて磁気記録を行い、レーザー光を用いて再生を行う記録媒体の1つである。最初の光磁気ディスクメディアおよび対応製品は1988年に各社より発売された。規格は2000年代で消滅。
         Wikipediaより 

はじめに

 左の写真はブログでも紹介しましたminiXVIのRetroPieです。ラズパイ3MODEL B+ に3.5インチLCDを載せ、ゲームソフト「グラディウス」を起動させています。RasbianをベースにしたゲームOSである「RetroPie」とエミュレータ「Ir-PX68k」をダウンロードしてインストールした後、以下のものを組み込みました。
  ・IPLROM.DAT
  ・CGROM.DAT
  ・ゲームFDのXDFファイル
 前2つはネットから調達しましたが、最後のXDFファイルは、X68000実機にてFDから読み取ってRetroPieに転送する必要があります。RaSCSI導入前でしたので、いくつかのメディアを使い分け、下図のように作業しました。
 手順1~4で、FDのイメージ作成ソフトFDCHECK(甘亀庵管理人さん制作)のソースファイルをダウンロードしてCD-RでX68000へ渡し、アセンブルして実行ファイルを生成、それを用いてゲームFDからXDFファイルを作りました。そのファイルをRetroPieへの中継を行うWindowsPCに渡すのに、MO活用による方法を私としては初めて使ってみました。前置きが長くなりましたが、その様子を備忘録を兼ねてまとめておきます。


X68000側の準備と書き込み
 MOドライブユニットをSCSI端子に接続するとともに、CONFIG.SYSにDVDの時と同様にSUSIE.X を登録しました(SCSI IDは4にしました)。

DEVICE=SUSIE.X -ID4 @:


 また、Windowsとファイル交換を行うためには、MOをIBMフォーマットにする必要があります。FDCHECK.Sと共にCD-RでX68000に渡したツール、GORRYさん制作のFIM.Xを使ってフォーマットを実行しました。

FIM 4


SUSIE.X にてドライブとして認識

FIM.X実行 IBMフォーマット

次に、ゲームFDから読み取ったイメージファイル(XDF)を書き込みました(ここでは、例として、フルスロットル、グラディウス、スペースハリア、ゼビウスのイメージを保存しました)。



WindowsPC側の準備と読み込み
  私の家にはかってWindowsPCやMacで使っていたSCSI接続のMOドライブユニットがあります。しかし、今使っているPCにはSCSI IFがないので、繋がりません。そこで、かってDIYで製作したWindows95マシンに載せていたIDE接続のMOドライブをはずし、WindowsPC(VISTA/Win10デュアルブートマシン)の空きスロットに移植しました。(右図参照)。ベゼルがベージュ色で見た目今イチなので、今度黒に塗装しようと思っています。

 さて、MOを挿入し動作試験をしたしたところ、Windows10ではドライブの認識時点でNGでしたが、Windows VISTAの方ではドライブとして認識してくれました。ただ、この時、このPCのDVDドライブが認識されなくなりました。原因はMOのジャンパー設定が「マスター」になっていたためでした。IDEのインタフェースは2台のデバイスを接続できましが、一方を「マスター」、他方を「スレーブ」にする必要があります。MOドライブを「スレーブ」に設定し直すことで、無事DVDドライブと共存して読み込みできるようになりました。以下は先にX68000で書き込んだMOの内容を読み出したところです。


 これらをWiFi経由でRetroPieへ転送しましたが、動作したのはグラディウスだけでした。ほかが動かないのはコピープロテクトがかかっていたためと思われます。

その後の利用
 2回目にMOを利用したのが、RaSCSI導入時でした。上の画像のX68KフォルダはWindows側から書き込んだものです。RaSCSIのソフトウェアにパックされていたドライバ、RASDRV.SYS、RASETHER.SYSをX68000側に転送するために再びMOを使用しました。


おわりに
 本当に久しぶりにMOを利用しました。RaSCSIが稼働してからは、WindowsPC-X68000間のファイル交換にUSBメモリやSDカード、WiFiも利用できるようになり、今後はRaSCSIが壊れて再構築するとき以外、使うことはまずないでしょう。MOにはまた長い眠りについてもらうことになりそうです。
 MOといえば昔、読めなくなったMOの修復報告ページを作って公開していたのを思い出しました。もう15年近くなり、今はそのサイトを閉じていますので、このサーバに再掲しておきます。何かの参考になれば幸いです。こちらのページです。


とても参考になったサイト

X68000 ライブラリ「資料室 Windows とのファイル交換」は参考になりました。
X68000 復活プロジェクト「カビが生えたフロッピーとの奮闘記」のFDCHECKを使用させていただきました。
 

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