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改造対象のEXPERTはハードディスクモデルではありませんので、OSは5インチフロッピーディスクから読み込ませて起動します。フロッピーの容量の関係で、大きなシステムを起動しようとすると何枚ものフロッピーを差し替える必要があります。さすがにこれは不便なので、これまで大容量の外付けHDDを拡張スロットのSCSIインタフェースに接続していましたが、次のEXPERT改造の目標として大容量ディスクを内蔵させることを考えました。 最近、ATXの世界では、ハードディスクの代わりにSSD(Solid State Disk:フラッシュメモリを利用した半導体ドライブ)を搭載するのが流行です。その目的には、静音化、高速化がありますが、寿命が数年であること、価格が高いことなど利用にはまだまだ少し敷居が高いです。今回、部品としては安価なCF(コンパクトフラッシュ)を利用し、疑似SSD化に取り組みました。 コンパクトフラッシュにはもともとIDEモードといって、DMAを利用してハードディスクのように扱えるモードがあり、CFアダプタは基本的にはCFの50ピンをIDE40ピンのコネクタの並びに変換するだけのもので、動作を支援するようなチップは載っていません。以下が入手したCFアダプタです。
最初に、CF-IDE40を後に紹介するSDATのひとつと接続して動作試験しましたが、なかなか動いてくれませんでした。動作検証のため、別途、ADPCF2P-N35を購入し、付け替えてみるとこちらはちゃんと動作しました。動かないCF-IDE40はどこか結線が足りないのかと考え、ネットにあった回路図を参考に導通テストして調べてみましたが、CFとIDEのピン間の接続は2つの基板で全くといっていいほど同じでした。これで動かないはずはないと考え、最後は2つの基板をIDE40ピンのフラットケーブルで結んで全ピン、双方の端子の間で導通テストを行って、やっといくつか導通していない箇所を見つけました。ケーブルを差し直すとつながったので、どうも、ピンの接触不良が原因だったようです。IDEのピンの根元のハンダを温め直した後、ケーブルを差し込み直してからは、安定して動いています。 CFアダプタをX68000に接続するには、DVDドライブ接続と同様、IDEとSCSIとの変換基板(SDAT)が必要になりますが、前回DVDドライブ接続用に使用した変換基板はやはりDVD等光学ドライブ専用のようで、今回のCFアダプタ接続用には使えませんでした。そこで、新たに、ヤフオクでゲットしたり、知人から譲り受けたりしていくつか入手しましたが、CFやアダプタとの相性のせいか、なかなかうまく動作しませんでした。その後、あらためてヤフオクを一か月ほどウォッチし、やっと他のサイトで実際にX68000で使用された実績のある変換基板を入手することができました。以下が手にしたIDE-SCSI変換基板達です。CFアダプタを接続した時の振る舞いも付記しました。
上記のバッファロー DSC-U30GTV内蔵のSCSI変換基板を、X68000上部、本来のHDD取り付け位置にCFアダプタの押さえを兼ねた自作パネルを利用して取り付けました。CFアダプタはCF交換に便利なように、左タワーに窓を開け、その開口部付近にマジックテープと強力?両面テープで固定しましたが、IDE40ピンフラットケーブルは基板から短く生えているだけなので、CFアダプタまで届く延長ケーブルを作り(ケーブル屋さんに作ってもらい)、接続しました。 U30GTV内蔵のSDATをSCSIバスに接続するため、先のDVDドライブの接続も変更し、MILソケットコネクタを複数圧接した50ピンのフラットケーブルを張り回しました。また、新たにSCSI外部内部変換コネクタを2つ入手してSCSI内部ケーブルに接続して、外部接続コネクタをピンタイプハーフ(ハイピッチとも呼ばれる)×2から ピンタイプハーフ+アンフェノールハーフ(セントロニクスハーフとも呼ばれる)の組み合わせに変更しました。アンフェノールハーフは拡張BOXのSCSIインタフェースと同じものですが、周辺機器は、PC98やDOS/VのSCSIインタフェースに合わせて、ピンタイプハーフがよく使われていますので、変則ですが、筐体背面でのケーブル接続を少しでもすっきりさせるため、このような構成にしました。
なお、このように、外部SCSIコネクタを2つ出すことで、SCSIインタフェースからのケーブルをはずせば、他のPC(X68000)からもDVD、CFを利用できるようになります。 さて、DSC-U30GTV内蔵のSDATをつなぐことで、CFをドライブとして認識するようにはなったのですが、私の手持ちの全てのCFを認識したわけではありません。かってデジカメ用に使っていたCFを順に差し替え、FORMATコマンドのSCSI検出で試した結果は以下のとおりです。 いずれも、PCのメモリカードとしては動作しているのですが、U30GTV内蔵のSDATで使えたのはたった2つ。CFとSDATの相性はかなりあるようです。ちなみに、YAMAHA V769970では、私の手持ちのCFは全てだめ(「使用不可」と表示された。唯一PCIの256MBはハードディスク249MBと認識するもフォーマット不可)でしたが、ある海外サイトの報告では、サムソンのCFは認識・動作しているようです。 認識されたTDKの64MB CFはハードディスクのように動作し、フォーマット後、OS Human68kのシステムを転送することで、ブートも可能となりました。現在では、64MBという値は実装メモリとしても少ない容量ですが、これでもちょっとしたシステムならX68000では十分な値です。2GBの方を使えば、さらに大きなシステムが作れますが、X68000が認識できるブート可能なパーティションの最大は1GBですから、領域確保はそれ以下に抑える必要があります(フリーソフト GOVERHD.X を使えば、これもさらに広げられるようです)。 今回のCFアダプタ搭載は、X68000 EXPERT改造の中でもかなりの難物でした。CFアダプタの不具合、SCSI-IDE変換基板の入手の難しさ(オークションに出品されてもすぐ値が上がる)、 変換基板とCFとの相性の問題、SCSIケーブルの張り回し方法と解決する課題がいっぱいあって、構想から完了まで3ヶ月近くを費やしてしまいました。一時はなかなか進展しない状況を打破すべく、CFはやめてSDカードでSSDを作ろうかと考えたりもしました(これはこれで新たな難題を抱えるはめになった)。単にCFのSSD化なら、CF AztecMonsterのようなSCSI直結のアダプタを使うことで、きっとスムーズに作業完了となったと思いますが、タワーにあけた窓を使ってのCFのリムーバル化にこだわり、あえて困難な道を辿りました。それだけに、完成の喜びは筆舌に尽くせません。 さて、次なる改造に取り組みますか・・・。
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