番外編2
 CARD DOCK 修理報告





 X68000の周辺機器(主にPRO用)として繋いでいるもののひとつに、PC-CARDの読み書きができる装置(商品名 アイオーデータのCARD DOCK) があります。これを利用して、EXPERTの改造以前から、コンパクトフラッシュをHDDの代わりにブート可能なメディアとして使っていました。ところが、ある日を境にSCSI機器として認識されなくなってしまいました。電源は入り、分解しても特に損傷部分は見あたらないので、古い物だけに制御チップが逝ってしまったのかなぁとしばらく修理をあきらめていました。

 その後、入手した X68000 SUPER のSCSIがうまく機能しない原因をネットで探しているうちに、SCSI機器にはヒューズがついているのを知りました。ヒューズといっても、切れたのが外から見える管ヒューズではありません。半導体パッケージのようなチップに埋め込まれた、いわゆる「チップヒューズ」と呼ばれるもので、SCSIのターミネータへの給電用にコネクタに接続されている電源5Vラインの保護のために使われているようです。もしかしたら、この装置にもあるのではないかと基板上を探し、「35」とプリントされ、基板にはF2と記されているチップヒューズを探し当てました。これが、5Vを制御回路へ給電していることを確認し、さっそく、テスターで導通試験をしたところ、やはり導通がありません。試しにリード線で両端を短絡したところ、見事、SCSI機器として動作するようになりました。


 さて、原因がわかったところで、修理です。本来ならチップヒューズの相当品と交換するところですが、ヒューズは一回切れると交換しなければなりません。引き続き、ネットでSCSIのヒューズ交換について調べていたところ、「ポリスイッチ」なる部品と交換すれば、切れてもしばらくすると元に戻るようになることを知り、さっそくこれを調達し、チップヒューズの両端にハンダ付けすることで、修理を完了しました。

「35」と刻印のあるチップヒューズ 入手した30V1.1A仕様のポリスイッチ ポリスイッチ接続の様子


修理にあたり、とても参考になったサイト

ブログ「御伽草子」 「AKAI 無印S3200入手!まず、SCSI修理」
ポリスイッチの概要と選定方法
 

  メニューへもどる